あなたは、「サステナブル」という言葉の意味を知っていますか?
最近よく聞きますよね。簡単に言うと「環境にいい」とかそんな雰囲気ですよね。
「地球環境にいい」というのも、サステナブルの意味の中に含まれますね。
サステナブルという言葉、最近やたらと耳にするけど意味はぼんやりとしか知らないという方も意外と多いのではないでしょうか?
でも今さら聞きにくいから、誰かサステナブルの意味を簡単に説明してくれないかな…。
サステナブルは日本語にすると、「持続可能な」という言葉になります。
「持続可能な生活」「持続可能な企業」といった言葉も最近よく耳にしませんか?
まずはサステナブルという言葉の意味について、簡単に見ていきましょう♪
サステナブルという言葉に興味が出てきたら、最初に読んでほしい本です。
SDGsについて子どもでも理解できるように分かりやすくまとめられた本は、大人の入門本にもぴったりです。
要所要所に登場する専門家の先生が書いたコラムの内容は、思わず人と会ったときに話したくなってしまいます!
サステナブルの意味について簡単に解説
サステナブルを日本語にすると、「持続可能な」という言葉になります。
つまり簡単に意味を解説すると、サステナブルとは「人や地球に無理な負荷をかけずにずっと続けていける」という意味です。
例えば「サステナブルファッション」であれば、地球環境や生産者の労働環境に配慮されたものと考えられます。
生産工程で河川や海を汚し、生産者に無理な低賃金労働を強いて、売れ残った服を大量廃棄しているようなファッションは、持続可能ではありませんよね。
サステナブルという言葉の意味自体は簡単ですが、幅広い範囲をカバーする言葉ですね。
言葉の意味が簡単に分かったところで、サステナブルについて気になることを深堀ってみましょう♪
サステナブルの意味を広めたSDGsについて解説
サステナブルという言葉を頻繁に聞くようになったのは、2015年に国連総会で採択されたSDGsがきっかけでしょう。
SDGsは「サステナブル ディベロップメント ゴール(Sustainable Development Goals)」の略で、日本語にすると「持続可能な開発目標」という意味になります。
SDGsは2000年の国連ミレニアム会議で採択されていたMDGsをアップデートした目標です。
MDGsは「ミレニアム ディベロップメント ゴール(Millenium Development Goals)」の略で、日本語では「ミレニアム開発目標」という意味です。
MDGsは途上国の開発を目的とし、それを先進国が支援するという形のゴールでした。
それに対してSDGsは経済・社会・環境の全ての面における問題に対して、先進国を含めた全ての国が取り組む目標へとアップデートされました。
SDGsは、誰ひとり取り残さない世界の実現を目指すという意味を持つ目標です。
MDGsからSDGsへ生まれ変わったことで、サステナブルという言葉が注目されるようになったのですね。
気になるSDGsについて次の2つのブロックに分けて、詳しく見ていきましょう。
- SDGsが掲げる17のゴール
- SDGsの達成度
SDGsが掲げる17のゴール
SDGsの具体的な目標について、説明できますか?
SDGsにはたくさん目標がありますよね。正直全部の意味を把握しきれません。
SDGsにおけるサステナブルな開発については、次の「17の目標」があります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーとみんなに。そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
多いですね!
ですが、この17の目標の意味を考えれば、現在世界が抱えている問題を知ることができます。
1つ1つをじっくり見れば、実は身近に考えられるものばかりです。
例えば1番の「貧困をなくそう」や2番の「飢餓をゼロに」は、一見途上国のためのサステナブルな開発目標のように見えますよね。
ですが、先進国でも経済格差は広がりつづけ、苦しい生活を送っている人もいます。
日本の飢餓経験率は5.1%で、20人に1人は飢餓経験があると言われています。
SDGsは大きな範囲での自分とは遠い世界の目標と思いがちですが、範囲を狭めていけば自分の生活するコミュニティ内の問題とも関連づけて考えられます。
どんなコミュニティも、実は世界の縮図です。
このSDGsの17の開発目標は、「5つのP」に集約できます。
17は多いですが、5つなら意味を把握しやすくないでしょうか?
- 人間(People)
- 豊かさ(Prosperity)
- 地球(Planet)
- 平和(Peace)
- パートナーシップ(Partnership)
どれも難しくなく、意味が分かりやすい言葉ですよね。
5つのPはシンプルで簡単で、すぐに覚えられそうです。
17もあるSDGsのサステナブルな開発目標も、5つのPごとに分けて考えれば分かりやすい感じがしませんか?
いきなり17のサステナブルの開発目標の意味を把握しようとすると、はじめから嫌になってしまいます。
ぜひ難しく考えすぎず、SDGsをシンプルで身近なものとして理解してみてください。
SDGsの達成度
2015年に採択されたSDGsですが、どのくらい達成されているのか気になりますよね。
サステナブルな開発目標も達成されなければ目標を立てた意味がありません。
しかしながら、新型コロナウイルスの流行やロシアのウクライナ進行によって、SDGsの進捗は厳しいものになっています。
そんな厳しい状況下でも、SDGsの達成度が高いのは北欧の国々です。
イメージ通りですね!
2022年の達成度1位はフィンランド、 2位がデンマーク、3位がスウェーデン、4位がノルウェーとなんと上位4位を北欧が占めています。
北欧諸国はSDGs以前から、環境問題や福祉問題に積極的に取り組んできました。
付け焼刃ではないサステナブルな問題解決に取り組んできた歴史がある北欧の国々は、政府だけではなく市民も高い意識を持っています。
サステナブルな意識の高い市民の積極的な協力があることは、目標達成に大きな意味を持つと考えられます。
一方で、オセアニアやサハラ以南のアフリカ諸国がランキング下位を占めており、現状ほとんどの項目で「発生には程遠い」という評価になっています。
ちなみに、2022年の日本のSDGs達成度は19位でした。
この順位にはどのような意味があるでしょうか?
19位という順位を高いと感じますか?低いと感じますか?
国連加盟国が193か国でしょう?その中の19位ならすごいんじゃないの?
実は日本はランクを下げ続けており、現在の順位は過去最低です。
日本は6つの目標について「深刻な問題がある」と判断され、その中には「ジェンダー平等を実現しよう」や「つくる責任 使う責任」等が含まれていました。
他の先進諸国と比べても、近隣のアジア諸国と比べても、日本の女性の社会進出が遅れていることは有名ですよね。
また日本は大量生産大量消費社会です。特に電子機器やプラスチックごみの廃棄量が多いことが指摘されています。
日本もまだまだ達成のための努力が必要なようです。
北欧のように、みんながサステナブルな意識を高く持つことが求められますね。
SDGsについて知りたくなったら、最初に読んでほしい本です。
知識としてつめこむだけではなく、具体的なアイデアを知ることができる実用的な1冊です。
SDGsの達成目標年である2030年よりもさらに先を意識した内容になっています。
サステナブルな意味を持つ取り組みの具体例を紹介
ぼんやりしていたサステナブルの意味やSDGsについて、だんだん分かってきましたね。
そうなると、自分にもできるサステナブルな意味のある取り組みを知りたくなってきませんか?
私達の生活の中の衣・食・住に分けて、個人でもできる具体的な取り組みを見ていきましょう。
- 衣:洋服の生産工程を知って買い物をする
- 食:フードロスの少ない方法で食生活を送る
- 住:電気や水の使用量を見直す
1つずつ意味を確認して、サステナブルな生活への取り組みを考えてみましょう♪
洋服の生産工程を知って買い物をする
洋服に関するサステナブルな意味ある取り組みとして、洋服の生産工程を知って買い物をすることがあげられます。
いわゆる「サステナブルファッション」とか「エシカルファッション」と呼ばれる考え方ですね。
生産工程に目を向ける取り組みは、次のような疑問をもつことから始められます。
あなたは、今着ている服がどこから来たのか知っていますか?
その服に使われている素材はどのように作られたのでしょうか?
その服は誰が縫製してくれたのでしょう?
ファッション産業は、石油産業について2番目に環境負荷が高い産業と言われています。
サステナブルという言葉に注目が集まってからは、ファッション産業における労働環境においても悲惨な現状がとりただされるようになってきました。
海外のコットン農家の作り手が農薬によって深刻な健康被害を受けている話を聞いたことがありませんか?
縫製工場の職員が不当な賃金で長時間労働を強いられているような話もよく耳にしますよね。
日本製のものを買ったら安心かしら?農薬の規制も厳しそうだし、低賃金労働をさせたりすることはないでしょう?
「日本製」とされる商品が、最初から最後まで日本で作られている訳ではありません。
アフリカの素材を使って、中国で繊維を布にして、その布をベトナムで染めても、最後の仕上げを日本ですれば、その商品は「日本製」の表記ができます。
また海外だけでなく日本国内の縫製に携わる外国人技能実習生についても、サステナブルとは言い難い労働環境がしばしば問題視されています。
本来の技能実習制度の目的は、海外の実習生に日本の技術を母国に持ち帰り、母国の発展に貢献してもらうことです。
しかし実際は日本国内で安い労働力として利用されているケースが多く、海外の先進諸国では日本の技能実習制度は奴隷制度だとも言われています。
そんな環境の日本国内の工場で外国人が作った商品も「日本製」です。
外国人技能実習生の低賃金労働や賃金の未払い、暴力やセクハラ被害等、思わず耳をふさぎたくなるような悲惨な問題もとりただされるようになりました。
今はメディアで技能実習生の状況がとりあげられるようになって、管理組合や企業も状況を改善してきている様子が見られます。
それでもまだまだ問題は山積みです。
特に縫製の仕事は、あまり日本語力が必要ない仕事として、安い賃金で学歴の低い女性の実習生が雇われることが多い職種です。
そのため技能実習生の中でも弱い立場に置かれやすいです。
低賃金労働は、遠い外国だけで起こっている問題ではありません。
最近では有名ブランドもサステナブルな取り組みをするところが増えており、新しくおしゃれなエシカルファッションブランドもどんどん増えています。
デザインや値段だけでなく、洋服の生産工程についても関心をもつことがサステナブルにファッションを楽しむことに繋がります。
そして買った服を長く大切に着ることも、サステナブルな意味を持つ立派な取り組みです。
ファッションは、意味のある行動を心がけることで、より一層楽しめます。
フードロスの少ない方法で食生活を送る
食事については、フードロスをなくしていく取り組みがサステナブルな意味のある行動になります。
世界では年間25億トンの食品が廃棄されていると言われています。
この数字は、なんと生産された食品の40%です。
SDGsの開発目標に「飢餓をゼロに」がありましたよね?食品って余っているの?
食品が必要な場所には届かず、大量廃棄されているのですね。おかしな話に聞こえますよね。
日本もフードロスの問題が深刻な国の1つです。
フードロスの大きな原因は、みなさんもご存じの大量生産です。
でもそれって個人じゃなくて、企業の問題でしょう?
確かに直接的に大量生産大量廃棄の問題と向き合うのは企業の仕事となるでしょう。
しかし、私達消費者にとっても他人事ではありません。
消費者の買い物は、企業への投票です。私達もまずは関心を持つことが大切です。
食品を選ぶとき、どんな基準で選んでいますか?
みんながより安い商品を求めていないでしょうか?
金額が安い食品にはもちろん企業の努力もありますが、環境を破壊したり、人道的でない方法で大量に生産されている可能性が高いです。
具体例として、身動きがとれないようなせまいケージに大量に入れられて、ひたすら卵を産まされる鶏の映像を見たことがありませんか?
麻酔もなしに鶏の嘴を切断する養鶏場もあります。
生産者がそのような行動をとる意味は全て、消費者に1円でも安く商品を届けるためです。
その陰で、地球環境や動物達が犠牲になっています。
そして、そうやってまで作られた食品の40%が、食べられることもなく廃棄されているのです。
食品についても、ファッションと同じように生産背景に関心を持つことが、サステナブルな意味を持つ取り組みにつながります。
そのような食品は買いたくありません…。でも家計を考えると高いオーガニック食品ばかり買うのは無理です。
オーガニック食品を買うことだけが、サステナブルな取り組みではありません。
他にも日々の生活で少し気を付けるだけでフードロスを少なくする方法はたくさんあります。
あなたは買い物をするとき、奥にある賞味期限の長い食品を選んでいませんか?
今日の夕飯の材料なのに、1週間先の賞味期限のものを選ぶ必要があるでしょうか?
手前にある賞味期限の近いものは、期限がくれば店頭にならべることができず廃棄されてしまいます。
みんなが先の賞味期限のものを選べば、その分廃棄される食品は増えることになります。
また、「安いから」と言って食べられもしない量の食品を買ってしまったことはないですか?
冷蔵庫の中で忘れられてしまって、いつの間にか賞味期限を過ぎていたとなったら、その食品も廃棄されることになりますね。
自分に必要な量を考えて買い物をすることもサステナブルな取り組みです。
また、家畜から排出される温室効果ガスは、世界の温室効果ガスの約14%を占めるそうです。
家畜から温室効果ガスが出るってどういうこと?
簡単に言うと、家畜のゲップです。
そして大量に必要な家畜のエサの確保のために、人間の食品が足りなくなっているとも言われています。
大量に肉を生産することは、地球温暖化と飢餓問題にもつながっているのです。
週に1回だけでも肉を食べないノーミートデーを作ることも、サステナブルな意味を持つ取り組みとなります。
小さな取り組みでも、1人1人が気を付けることで大きな意味を持ちます。
私はシングルマザーで、家計に余裕がなかった時期はフードバンクから支給してもらった食品に助けられました。
最近は、フードロスをなくす取り組みとしてフードバンクもありますね。
規格外や賞味期限は過ぎたけれどまだ食べられる商品等、従来廃棄されていた食品を必要な人のところに届けるサービスです。
ボランティア活動で、このような取り組みに参加することもできますよ。
電気や水の使用量を見直す
家での電気や水の使用量を見直すことも、サステナブルな意味を持つ取り組みです。
ソーラーパネルを設置する等していっきに住環境を整えられればいいですが、なかなかそうもいかないですよね。
いきなりそこまでしなくても、意外と私達は普段の生活で電気や水を無駄遣いしているものです。
電気や水を大量に使用する電化製品の具体例としては、洗濯機があげられます。
あなたはどのくらいの頻度で選択していますか?
最近はマスクも洗うし、毎日洗濯しています。でも、1回の量は少ないですよ。
実は洗濯物の量が少なくても、洗濯機が使う電気と水の使用量はあまり変わりません。
数日分まとめて洗濯するだけでも、サステナブルな取り組みとなります。
もちろん節約にもなりますよ!
マスク等の小さなものなら、手洗いする方がかえって早かったりするのでおすすめです。
手洗いなら電気は使いませんし、水の使用量もぐんと減ります。
また、ファッション産業における一番の環境負荷は各家庭での洗濯だと言われています。
電気と水の使用はもちろん、洗濯するたびに洗剤やマイクロファイバーも流れ出して河川や海の汚染につながります。
マイクロファイバーとは、8マイクロメートル以下の合成繊維です。
ポリエステルやナイロン等の合成繊維のマイクロファイバーは、洗濯の度に流れ出します。
さらにそれを魚が食べて、その魚を私達が食べることになると考えると怖いですよね。
でもうちは小さな子どもがいるし、毎日何洗濯しないと間に合わないんです。
洗濯に必要な回数は、家族構成によっても違ってきますよね。
乾燥機を使わないだけでも、環境への負荷は随分減ります。
ニットやデニム等はお手入れに気を付けて、頻繁に洗わないようにするのもサステナブルな取り組みですね。
毎日洗濯機をまわす必要があったのとしても、素材ごとに洋服の保管方法に気を付けて長く着るだけでもサスナブルにつながります。
自分の生活とサステナブルな取り組みを、できる範囲でバランスよくすり合わせていくことにも大きな意味があります。
まとめ
- サステナブルの意味は「持続可能な」で、簡単に言うと人や地球に負荷をかけず長く続けていけるということ
- SDGsは、途上国開発が主だったMDGsから、先進国を含む全ての国が取り組む開発目標としてアップデートされたもの
- SDGsには17のゴールがあり、5つのPに集約する
- SDGsの達成度が高いのは北欧諸国、低いのはオセアニアやアフリカ諸国
- 日本のSDGsの達成度は2022年現在19位で過去最低
- 衣に関するサステナブルな取り組みの具体例は、洋服の生産工程に関心を持って買い物をすること
- 食に関するサステナブルな取り組みの具体例は、フードロスを減らすこと
- 住に関するサステナブルな取り組みの具体例は、電気と水の使用量を見直すこと
最近よく聞くサステナブルという言葉の意味を簡単に理解することができましたね。
簡単なことを心がけるだけでも、意味のある行動につながります。
みんなで協力して、幸せで暮らしやすい環境を作っていきたいですね。
サステナブルやSDGsについてもっと知りたいと思ったら、ぜひ読んでもらいたい本です。
イラストや写真を使ってまとめられていて、楽しみながらSDGsが学べます。
具体的なアイデアから未来への視点まで、ただ知識としてつめこむだけではない実用的な1冊です。
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